遠くに太鼓の音を聴きながら過行く祭りを想う。でも内容は南総里見八犬伝
今日が新居浜太鼓祭り最終日です(でした。現在20時)
まだ宮からでて帰洛途中の太鼓が聞こえます。過行く祭りを想うこの瞬間が
一番好きな時間かもしれません。
今年は3年ぶりの開催でしたが、私は身内の不幸により見合わせました。
ちょうど親戚の叔父さんも亡くなった年だったこともあり、親戚10名(当初
13名)で鳥取県倉吉市にある亡き母実家の菩提寺へお参りに行きました。
参拝も終わりましたので、愛媛で言う内子町のような美観地区がありました
ので、土産を買いつつ辻にある説明板を見ると「南総里見八犬伝の元となった
里見氏と従者の墓が近くにある」とありました。これは見ておかないとと思い
文学に興味のある長女も一緒に行くと言うことで、別行動しました。
「大岳院」の山門横にありました(写真参照)説明板には転封となった
安房国国主里見忠義がこの地で没し、後を追って自刃した8人と家老を祀って
いるとありました。近臣8人の戒名には「賢」がついており、この言い伝えを
聞いた滝沢馬琴がモデルにしたとされるそうです。
写真の中央が恐らく里見忠義と思われますが、その右にある宝篋印塔の
塔身(ちょっと宝篋印塔の塔身と言うには長すぎて疑義はありますが)に
元和8年銘が見て取れます。その時のものであればかなり貴重です。
また里見忠義の五輪塔と左右隣の宝篋印塔以外は五輪宝篋印塔と呼べるような形で
あり、新居浜には類例がありません。安房に多い形なのか、地方色なのかどうか
と言うところですが、先に行った菩提寺にも同じようなものがありました。
石質も凝灰岩質のような気がします。
遠く安房国からこの伯耆国に流されてどのような思いだったのか、里見氏の
ことを祈りつつ後にしました。
※この文を書いたあと、里見忠義歿・近臣殉死400年目だったことが分かり
ました。たまたま節目に行ったことになり驚きました。