新居浜郷土史談会

新居浜の歴史

中村田所・田所東遺跡発掘調査報告会

 19日日曜日中萩公民館で愛媛県埋蔵文化センターによる「中村田所・中村田所東遺跡」の発掘調査報告会がありましたので、参加しました。

現在国道11号線バイパス工事に伴い、工事前に埋蔵文化財が無いか試掘を行い、遺物が発見された場合は、本格的な調査が行われます。今回の田所遺跡でも試掘により発見されました。

 田所・田所東遺跡は通称黒道と呼ばれる道のそば、創価学会敷地の東西で見つかったものです。報告資料や新居浜出身でセンター調査員の首藤久士さんが解説されたものから、概要を書いていきます。

 両遺跡からは縄文時代弥生時代や中世の遺跡が見つかりましたが、弥生時代が中心となる遺跡だそうです。特筆すべき点は、弥生時代後期(約1900年前)としては、新居浜市として本格的な調査は初めてとなるそうです。遺跡からは竪穴建物・壺棺墓などが検出されました。竪穴建物の内3棟は火災にあったようで、火事なのか戦災・故意に燃やしたものか不明なものの、集落を移動させるための家じまいの可能性があるそうです。また火山灰層も見つかり、約7300年前に鹿児島沖の喜界カルデラからの噴出物だそうです。自然の力はすごいですね。

 新居浜は隣の四国中央市土居や西条市に比べ、見つかっている遺跡が少ないそうで、国領川やその他河川の氾濫域が広く、住居には適さなかった可能性もあるようです。

 このように遺跡が少ない新居浜市ですが、近年では同じバイパス工事で見つかった星原市東遺跡や本郷遺跡・上郷遺跡・正光寺古墳など色々発見され、興味深いことです。残念ながら、市民への周知が少ないため、このような機会が知られておらず、もっとアピールして欲しいですね。新居浜は祭りと別子銅山だけではありません。往古から連綿として祖先からその営みを受け継いでいますので・・・

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